ついに始まった共通テーマ、お題はワイルドとのことである。
ここを見ているみなさんのほとんどがワイルドと書いてよねざわと変換できることぐらい知ってはいると思うが、
私米澤をワイルドどころか言うほどジャンボじゃないのではと思っている不届き者もいるのもまた事実である。
今日はこの場をお借りして私がワイルドであることの証明をし、そういった疑念を晴らすことに専念したい。
もう何年も前の話である。私米澤は大学の生協にいた。
当時の私服が、今となっては考えられないことだがツナギと軍手にヘルメットであったため警備員に声をかけられたり青いヘルメットを持った集団に追いかけ回されたりしたもののその日はただ昼飯を買いにきただけだった。
私の昼飯はペヤング超大盛と決まっていた。当時超大盛は発売されたばかりで生協価格200円足らずでこれだけの量が食べられることは衝撃だった。
そんなある日のことである。
私はいつものようにペヤング超大盛を購入し、生協内にあるポットでお湯を入れ、流し台で待機していた。昼飯時の生協はやたらと混む。
それが悲劇を生んだ。電波時計なんぞより正確だと自負している腹時計で3分を計り、お湯を捨てようとしていたその刹那、パープリンギャルが後ろからぶつかってきたのだ。
流し台に麺はすべてぶちまけられた。私は目の前の光景にしばらくの間呆然としていたが気づけば後ろに長蛇の列ができている。
パープリンギャルはとっくに逃げおおせたようで私に痛い視線が集まってくる。
私もその場から逃げ出したかったが、流し台に食べ残しを捨てるのが横行しすぎたせいで警備員(生協のオバちゃんである)もこちらを見てくる。さらにゴミ箱は埋まっているという最悪の状況だ。
もはや自分一人の力でこの状況を打開するしかないことを悟った瞬間、私の脳はフル回転した(常人の脳の回転速度をネオジオCDだとすると私はサターンくらいは確実にあった)。
ぶちまけられた麺を収める入れ物を探すのにそんなに時間はかからなかった。私の腹に収めれば良いのだ。そう気づいてから行動に移すのに時間はかからなかった。
私は皆が見ている前で流し台に顔を押し付け麺をすすり始めた。超大盛だから常人には無理だが私にはできる、そう思いながらすすっていた。
体感時間では1時間ぐらいだろうか、その間やじを飛ばすものは誰もおらず真昼の生協は不気味に静まり返った。
意外なほど順調に麺は腹に収まっていき、こうして私は流し台に落ちた麺すべてを食べきることに成功したのだ。
思い出したかのように最後口にソースをいれた瞬間拍手が起こった。
「すごいぜ米澤!」普段私を追いかけ回している青ヘルメットの集団もそう言って祝福してくれた。その光景を見て私の視界が滲んでいくのは当たり前のことだったのかもしれない。
以上が私がワイルドと呼ばれることとなったエピソードの一つである。流し台にこぼしてしまったペヤングをすするという経験はひょっとしたら皆さんも1度くらいあるかもしれないが、いかがだったろうか。